昨今、仕入先から相次ぐ値上げ要請への対応や、取適法を意識した適切な価格転嫁を進める中で、コスト削減交渉の進め方に頭を悩ませている調達マネジャーの方も多いのではないでしょうか。調達部員に対して、今の時勢に合わせた方針をどのように打ち出すべきか、その難しさを日々感じていらっしゃることと思います。
私自身、調達・購買部門で仕事をしていた頃、長年お付き合いのあった仕入先から他社へ転注するという苦渋の決断を下した経験があります。その際、仕入先から切実な思いを伝えられ、日頃からの対話や交渉がいかに重要であったかを痛感しました。
今回のブログでは、その時のエピソードを交えながら、今の状況下でも仕入先と継続的にコスト削減交渉を行うべき理由についてお話しします。ぜひ最後までお読みいただき、調達チーム内での方針づくりの参考にしていただければ幸いです。
今回は、【調達マネジャーの心得】値上げ要請を受けた仕入先に対してもコスト削減交渉を継続すべき理由とは?(経験談)についてお伝えしますので、ぜひご覧ください。
【調達マネジャーの心得】値上げ要請を受けた仕入先に対してもコスト削減交渉を継続すべき理由とは?(経験談)

長年お付き合いがあった仕入先から他社へ転注したときの苦い経験
長年お付き合いのあった仕入先から他社へ転注を決断した際のエピソードについてご紹介します。
当時、工場で使用するゴミ袋を長年購入していた仕入先がありました。ある時、調達チームとして他社へ転注する方針を決め、その内容を伝えました。「値下げをするから、どうかこのまま取引を続けさせてほしい」と必死に懇願されたのです。最後には「子供が大学生で、まだまだ稼がなければならない。なんとかできないか」とまで打ち明けられました。
結局、当初の方針どおり他社へ転注することになりましたが、その時のやり取りを振り返ると、大きな後悔が残りました。それまで、その仕入先とはコストダウン活動や購入条件についての話し合いをほとんどしてこなかった経緯があったからです。もし、日頃からコスト削減活動について継続的に話し合っていれば、仕入先も事前に対策を講じることができ、違った展開になっていた可能性があったのではないかと痛感しました。
この経験から学んだのは、日頃からコスト削減交渉の場を設け、率直に現状を伝え合っておくことの大切さです。取適法を遵守し、値上げ要請を適切に受け入れることが最優先の今、コスト削減活動の話を切り出すことに慎重になってしまう調達部員もいるかもしれません。しかし、良好な関係を維持したいからといって必要な対話を避けることは、将来的に突然「転注」という厳しい判断をしなければならなくなった場合、かえって仕入先を追い詰めてしまうことにつながります。
今の状況を尊重しながらも、将来の苦渋の決断を防ぐために、コスト削減交渉という形での対話を止めないこと。それこそが、将来的にどのような方針を出すことになっても、互いに納得感を持って進むために欠かせない、調達業務における誠実な姿勢なのだと強く実感しています。
調達マネジャーが仕入先とのコスト削減交渉を進めるにあたって注意すべきポイント3つ
ポイント① 「取適法」に基づいた協議の場の設置
単に数字のやり取りをするだけでなく、仕入先の状況について確認する機会を設けることが重要です。こうした地道な対話の積み重ねが、法令遵守にとどまらない協力関係を築き、結果として将来的な価格の安定や相互の利益確保へとつながっていきます。
ポイント② 主要仕入先との定期的な方針共有と意思疎通を行う
事業を支える主要な仕入先に対しては、少なくとも年に1回はコストダウン活動の取り組みについてじっくりと話し合う機会を持ちましょう。調達チームとして「今後も継続的にコストダウン活動を進めていきたい」という方針をあらかじめ明確に伝えておくことで、仕入先側も中長期的な視点で改善計画を立てやすくなります。
【主要仕入先との定期的な方針共有と意思疎通を行う(例)】
将来の予測が難しい時代だからこそ、調達チームが目指す方向性を仕入先に明確に示し、共通の認識を持っておくことが大切です。日頃から方針を共有し、コストに関する期待値を伝えておくことで、仕入先側も自社のリソースをどこに投入すべきかが明確になり、無理のない範囲で効率的な原価低減活動を共に進めていく協力体制を整えることが可能になります。
ポイント③ サプライヤー評価を共有して、今後の方針について話し合う
【サプライヤー評価を共有して、今後の方針について話し合う(例)】
まとめ
まず、取適法に基づいた「協議の場」をつくることから始めてみませんか?
仕入先とのコスト削減交渉は、単に価格を下げるだけでなく、法令を遵守しながら信頼関係を築いていく大切なプロセスです。そのためには、日頃から方針を共有し、客観的な評価に基づいた対話を積み重ねていくことが欠かせません。
まずは、取適法に基づいた「協議の場」をつくることから始めてみませんか?いきなり大きな成果を求めるのではなく、まずは仕入先と向き合い、互いの状況を確認し合える場を設けることが、確かな一歩となります。一つひとつの対話を丁寧に積み上げていくことで、協力体制が築けるはずですよ。
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今回のブログでご紹介した「協議の場」をつくり、仕入先との対話を積み重ねていくことは、調達部員一人ひとりの力にかかっています。しかし、日々の調達業務に追われる中で、調達部員の底上げや教育の仕組みづくりまでを調達マネジャーお一人で進めるのは、決して簡単なことではありません。
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