【調達マネジャーの心得】中日ドラゴンズ落合博満元監督に学ぶ!調達部員を信じて任せ、最高のタイミングで手を差し伸べる育成のコツ

落合監督流「任せる極意」:信頼して委ねる勇気と、最後は自分が責任を持つという覚悟
まず、落合監督のエピソードを通して、任せることの本当の意味について考えていきましょう。
落合監督が中日ドラゴンズを率いていた8年間、開幕投手を自ら決めたのは就任1年目だけだったと言われています。それ以降は、信頼を置いていた投手コーチにすべてを任せていました。「自分よりも投手の状態を詳しく知っている人がいるなら、その人に任せるのが一番いい」と考えていたからです。
もし監督が自分の専門外のことまで細かく口出しをすれば、選手やコーチは混乱し、チームとしての動きも止まってしまいます。自分より優れた知識を持つ人を信頼して任せることが、チーム全体の力を引き出す近道であることを、落合監督は誰よりも理解していました。
一方で、落合監督は決して「任せっぱなし」にはしませんでした。任せた相手がどうしても解決できない事態に陥ったときのために、常に自ら動く準備を整えていたのです。
象徴的なエピソードがあります。ある投手が精神的な理由でうまく投げられなくなったとき、指導を任せていた投手コーチが「もうお手上げです」とさじを投げてしまったことがありました。その際、落合監督は責めることなく自らその投手の指導を引き受け、再びマウンドに立てるまで回復させたのです。
「基本は信頼して任せるが、限界のときは自分が責任を持つ」という覚悟と準備があったからこそ、コーチや選手たちは安心して自分の役割に集中することができました。
それでは、この落合監督の姿勢を、日々の調達業務にどのように活かしていけばよいのでしょうか。次の項目で、調達マネジャーが調達部員に任せるときの具体的な3つのポイントについてお伝えします。
調達マネジャーが調達部員に任せるときの3つのポイント
ご紹介した落合監督のエピソードを受けて、落合監督の任せ方を調達マネジメントに活かす3つのポイントについてお伝えしていきます。
ポイント① 細かく口出しをせず、まずは調達部員に最後までやり遂げてもらう
例えば、仕入先との価格交渉や納期調整など、日々の業務において、つい細部まで指示を出したくなることもあるかもしれません。しかし、調達マネジャーが先回りして答えを伝えてしまうと、調達部員は「自分で考え、決断する」機会を失ってしまいます。まずは報告・連絡を徹底してもらうことを前提に、調達部員のやり方を尊重して最後まで見守ることが、成長への第一歩となります。
・調達部員が仕入先と難しい価格交渉を行っている際、たとえ自分の進め方と違っていても、途中で割って入らずに最後まで任せてみる。
・交渉の進捗状況についてはこまめに共有してもらい、調達マネジャーは「交渉の方向性が大きく外れていないか」を確認する役割に徹する。
・交渉が一段落したあとに、調達部員が一生懸命に考えて出した答えを、まずはそのまま受け止める。
調達部員を信じて交渉を任せることで、本人の主体性が育まれます。そのためには報告と連絡を徹底してもらい、最後まで見守る姿勢を貫くようにしてください。一人でやり遂げる経験の積み重ねは、確かな成長へとつながるはずです。
ポイント② 調達部員が困ったときに、すぐに手を差し伸べるための準備をする
調達部員に仕事を任せることは、決して放任することではありません。任せた相手が自分一人の力では解決できない事態に直面したとき、すぐにサポートができるよう備えておくことも調達マネジャーの重要な役割です。あらかじめ「どのような状況になったらフォローするか」といったことを想定しておくことで、調達部員は迷わずに目の前の仕事へ打ち込めるようになります。
具体的には、あらかじめフォローするときの方針を決めておくことが効果的です。
・仕入先がこちらの提示条件を完全に拒絶されたとき
・これ以上の交渉を続けても納期に影響が出そうなとき
このように、いざという時のフォローの方針が明確になっていれば、調達部員が一人で抱え込んで手遅れになる事態を防げるはずです。
こうした準備を整えておくことで、調達マネジャーは安定供給を守る責任を果たしつつ、調達部員の挑戦を支えることができます。フォローの方針があるからこそ、お互いに信頼感を持って仕事を進められるようになるのです。もしもの時の備えを、調達チームの安心感につなげていきましょう。
ポイント③ 中堅・ベテランの調達部員には答えを押しつけず、選択肢を示して自ら判断するまで見守る
経験豊富な中堅・ベテランの調達部員に対しては、これまでの経験を尊重した接し方が求められます。答えを一つに絞って指示を出すのではなく、複数の選択肢を提示した上で、最終的な判断を本人に任せることが大切です。自分で決めたという納得感があるからこそ、責任を持って業務を完遂する意欲が高まります。
具体的には、ポイント①と②で触れた価格交渉の場面でも、本人の考えを引き出す伝え方を意識するようにします。
・「納期を守りつつ目標価格を目指す上で、今回は一括発注によるコストダウンを提案する案と、段階的なコストダウンを依頼する案のどちらが有効だと考えますか」といった複数のアプローチを提示する。
・「もし交渉が難航した場合は、フォローの方針に沿って私が代わることもできますが、どの段階まで自分で進めてみたいですか」と、本人の意思を確認する。
このように、あらかじめ決めたルールを共有しつつ、具体的な進め方は本人の判断を待つようにします。調達マネジャーが先回りして答えを決めつけないことで、中堅・ベテランの調達部員は自身の経験を活かして、より良い成果を追求できるようになります。
経験のある調達部員に対しては、複数の選択肢を示して意見を求めるようにしましょう。本人の判断を信じて待つ姿勢を見せることで、調達部員の責任感はより強固なものになっていきますし、適切な距離感で見守ることが、調達チーム全体の活気につながります。
まとめ
- 任せ方のポイント① 細かい口出しを控え、調達部員が最後までやり遂げる姿を信じて見守る。
- 任せ方のポイント② 困ったときにすぐサポートできるよう、フォローの方針を事前に決めておく
- 任せ方のポイント③ 中堅・ベテランの調達部員には選択肢を提示し、自ら判断するまで辛抱強く待つ。
まずは、いざという時の助け舟の出し方を決めることから始めてみましょう
今回のブログでは、調達部員に仕事を任せる際に、調達マネジャーがどのように見守り、備えるべきかについてお伝えしました。口出しをぐっと堪えて最後まで信じることや、もしもの時のフォロー方針を自分の中で明確にしておくことは、安定供給を守る責任を果たすために欠かせません。裏側でしっかりと支える準備があるからこそ、調達部員は勇気を持って困難な交渉にも挑めるようになります。
まずは、次に調達部員へ仕事を任せる際に、「どのような状況になったら自分がフォローに入るか」という基準を自分なりに決めることから始めてみてください。あらかじめ備えをしておくだけでも、落ち着いて調達部員の挑戦を見守れるようになるはずです。
はじめは、黙って見守ることに難しさを感じることもあるかもしれません。しかし、一歩引いて支える姿勢を示すことで、調達部員は自ら考え、判断する力を確実に身につけていきます。一歩ずつ、調達部員が自走できる調達チームを築いていきましょう。
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日々、多くの業務を抱えながら調達部員を育成していくことは、決して簡単なことではありません。「どこまで任せていいのか」「どのタイミングでフォローに入るべきか」と、一人で悩み、葛藤されている調達マネジャーも多いのではないでしょうか。
応援のチカラが提供する「調達人材育成コンサルティング」では、調達マネジャーの皆さまの思いに寄り添い、具体的なフォローの方針づくりや調達部員との接し方を一緒に考え、それぞれの調達チームの状況に合わせた、無理のない進め方を整理するお手伝いをしております。
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