せっかく部内会議を開いても、意見が出ずに自分ばかりが話している状況は、本当にもどかしいものです。現状を変えようと問いかけても、静まり返った空気の中で孤独を感じている調達マネジャーの方もいらっしゃると思います。
活発なやり取りが生まれないのは、意見を出すための土台となる関係性がまだ整っていないからかもしれません。こうした状況を打破するためには、いきなり正解を求める議論を始めるのではなく、まずは日々のやり取りの質を変えていくことが必要です。
今回のブログは、東京海上日動システムズの取り組み事例を参考に、調達組織風土をどのように変えていけばよいのか、そのヒントについてご紹介します。
今回は、【調達組織風土改革】東京海上日動システムズに学ぶ!部内会議で意見が出ない状況を打破する「会話」と「対話」の積み重ね方についてお伝えしますので、ぜひご覧ください。
【調達組織風土改革】東京海上日動システムズに学ぶ!部内会議で意見が出ない状況を打破する「会話」と「対話」の積み重ね方

意見が出ない原因はどこにある?「議論」「対話」「会話」の違いとは
東京海上日動システムズの具体的な取り組み事例をご紹介する前に、まずはコミュニケーションの種類を整理しておく必要があります。部内会議で意見が出ない原因は、スキルの問題ではなく、これら3つの役割の使い分けができていないことにあるからです。
「話し合い」と一括りにされがちなコミュニケーションには、以下の表のように「会話」「対話」「議論」という明確な違いがあります。
このように整理すると、現状の課題が明確になります。部内会議という「議論」の場で、具体的に何をするかという結論をいきなり求めても、その土台となる「会話」や「対話」が不足していると、調達部員は心理的な壁を感じて口を閉ざしてしまいます。
つまり、部内会議を活性化させるためには、単に発言を促すのではなく、まずは日常的な「会話」で互いの思いを通わせる関係性を築き、物事の本質を一緒に探る「対話」を積み重ねることが不可欠です。この土台があることで、調達部員が積極的に意見を話すことができるようになって、「質の高い議論」ができる状態になります。
東京海上日動システムズ「知恵を出し合う場に変化させる」取り組み事例
では、東京海上日動システムズが合併による組織の疲弊を乗り越え、コミュニケーションの質を劇的に変えた歩みをご紹介していきます。
【背景】会話すらなく、疲弊しきっていた組織
かつての同社は、3社の合併に伴う膨大な作業量に追われ、誰もが自分の範囲をこなすことで精一杯でした。部門を超えた協力などはほど遠く、旧3社間の人間関係もできていないため、対話以前に「会話」すら存在しない、ギスギスした状態だったといいます。その上で、以下の取り組みを始めました。
ステップ① 業務外の「会話」で信頼の土台を作る
2006年から、あえて業務に関係のない「社内コミュニティ活動」を会社として支援開始。
多彩なテーマ:
ラーメン、マイレージ、子育てなど、自由なテーマで交流。
狙い:
直接の仕事ではない場での「会話」を通じて、調達部員同士が互いの人間関係を築くことを最優先とする。
効果:
関係性が良くなると、「ちょっと聞く」「ちょっと助け合う」ことが容易になり、教育や業務が自然とスムーズに回り始める。
ステップ②フューチャーセンターで「対話」を実践
2009年、対話によって課題を解決する「フューチャーセンター」を設置。ここでは、部署同士の責任の押し付け合いになりがちな反省会などを、知恵を出し合う場へと変えていきました。
目的の共有:
「自分たちは何のために仕事をしているのか」という問いから始め、立場を超えた共感(保険の顧客のためなど)を形成。
感情の可視化:
プロジェクトの年表を作り、その時の感情をシールで貼ることで、互いの苦労や背景を理解し合った。
成果:
全体像が見え、価値観を共有できたことで、関係部署に配慮した解決策が次々と生まれる「組織の学び」が引き出された。
(出典)ワークス108号特集「対話=ダイアログで紡ぐ人と組織の未来」
東京海上日動システムズでの事例を見ていただき、まず「会話」で関係づくりを行い、その上で「対話」によって目的を共有するということが大切であることをお分かりいただけたと思います。
調達部員が知恵を出し合うことができる部内会議に変えるためには、いきなり結論を出す議論を強いるのではなく、このプロセスを積み重ねることも必要です。
東京海上日動システムズの取り組み事例を活かすための3つのポイント
この項目では、東京海上日動システムズの取り組みについて、調達マネジャーが自身の調達チームで活用できる3つのポイントについてお伝えします。
ポイント① 「急がば回れ」のコミュニケーション順序の徹底
いきなり結論を出すための「議論」を急ぐのではなく、まずは関係を築く「会話」と、目的を確かめ合う「対話」の順序を大切にします。
【調達部門での取り組み例】
ポイント② 「悩ましいテーマ」を共有する場の設置
正解が一つではない課題や、部署間で意見が分かれる「悩ましいテーマ」をあえて共有し、お互いの背景を理解する場を作ります。
【調達部門での取り組み例】
ポイント③ 共通目的(パーパス)への立ち返り
意見が対立したときこそ、「そもそも何のためにこの仕事をしているのか」という共通の目的に立ち返る時間を持ちます。
【調達部門での取り組み例】
ご紹介した3つのポイントに共通しているのは、調達部員が一人で抱え込みがちな「背景」や「感情」を、調達チームとして共有可能な「知恵」に変えるプロセスです。
日常的な「会話」で関係性を築き、正解のない「悩ましいテーマ」をあえて場に出して、常に「共通目的」という原点に立ち返る。こうした一見すると遠回りに見えるやり取りを積み重ねることによって、調達部員が部内会で積極的に意見を話すことができる環境につながっていきます。
まとめ
東京海上日動システムズの取り組み事例を活かすためのポイント① 「急がば回れ」のコミュニケーション順序の徹底する
東京海上日動システムズの取り組み事例を活かすためのポイント② 「悩ましいテーマ」を共有する場の設置
東京海上日動システムズの取り組み事例を活かすためのポイント③ 共通目的(パーパス)への立ち返り
まず、「悩ましいテーマ」を議題にすることから始めてみませんか?
部内会議を調達部員同士が知恵を出し合える場にしていくためには、今、直面している「悩ましいテーマ」を隠さず共有できる機会を用意してみてください。
関係部署との間に生じている摩擦や、今のやり方でいいのかという迷いを場に出すことが、調達部員が「自分たちも発言していいんだ」と感じられる土壌を作ります。まずは、次の部内会議で、小さな困りごとを共有することから始めてみてください。調達部員が積極的に発言できるようになっていきますよ。
【無料相談】調達部員がもっと意見を言い合える環境づくりを、一緒に目指してみませんか?
部内会議を活性化させたいと思っていても、いざ一人で実践しようとすると、どんな風に「悩ましいテーマ」を切り出せばいいのか迷ってしまうことがあるのではないでしょうか。日々の調達業務に追われながら、調達チームの空気を変えていくのは決して簡単なことではありません。
もし一人で取り組むのが難しいと感じたら、応援のチカラ【ワークショップ型研修】『調達チームの空気が変わる』を体験する!調達チーム会議マニュアル実践セッションを活用してみませんか。このセッションでは、調達部員が自然と話し始め、調達チームに活気ある知恵が生まれるための進め方を具体的にサポートいたします。
まずは、今の率直な思いをお聞かせいただく無料相談から始めてみませんか。調達部員がもっと主体的に意見を出し合える環境を整えていくために、お役に立てれば幸いです。
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