最近の若い世代の価値観を尊重したい一方で、仕事に対する責任感や粘り強さをどう教えればいいのか・・・。指導の正解が見えず、一人で抱え込んでいませんか?
特に、プライベートを大切にしながら効率よく仕事をこなしたいと考える今の若い世代に対し、どこまで踏み込んで「自立」を促すべきか、その判断はとても難しいものです。
そんな悩みを解決するヒントは、かつて中日ドラゴンズをリーグ優勝や日本一に導いた落合博満元監督の言葉に隠されています。
今回のブログでは、落合監督の著書『采配』に記された「孤独に勝てなければ勝負に勝てない」という教えを紐解きます。関係部署との調整や難しい交渉の場で、調達部員が最後までやり抜く力を育てるためのポイントをまとめました。
今回は、【調達マネジャーの心得】中日ドラゴンズ落合博満元監督に学ぶ!「孤独」に勝てる自立した調達部員の育て方についてお伝えしますので、ぜひご覧ください。
【調達マネジャーの心得】中日ドラゴンズ落合博満元監督に学ぶ!「孤独」に勝てる自立した調達部員の育て方

安易な相談を断ち、自立した調達部員へと導く落合流の教え
今の若い世代の選手たちは、プライベートの時間を大切にし、職場でも過度な干渉を嫌う傾向があるといいます。自分の任された仕事を淡々とこなす姿勢は決して悪いことではありません。しかし、いざ仕事で壁にぶつかったとき、自分で考え抜く前にすぐ上司に答えを求めてしまう姿勢に対して、落合監督は警鐘を鳴らしています。
バッターボックスに入れば、横に立ってアドバイスをくれる人はいません。それと同じように、関係部署との調整や仕入先との厳しい交渉の場では、自分一人で判断し、対応しなければならない瞬間が必ず訪れます。
答えが見えない中で「どうすればいいのか」と試行錯誤する過程は、非常に孤独で苦しいものです。しかし、その孤独感に耐え、自分の責任で最後までやり遂げようともがく経験こそが、一人前の調達部員へと成長させます。安易に答えを教えてしまうことは、かえって調達部員が成長するチャンスを奪っているのかもしれません。
では、具体的にどのように接すれば、孤独に打ち勝ち、自立して調達業務を遂行できる調達部員を育てることができるのでしょうか。
次の項目では、そのための具体的な指導ポイントについて詳しくお伝えします。
「孤独」な試行錯誤を支え、一人前の調達部員へと成長させる3つのステップ
ステップ① 安易に答えを与えず、まずは「自分なりの案」を考えさせる
例えば、急な仕様変更により仕入先から納期遅延の連絡が入った際、慌てて「どうすればいいですか?」と聞きに来る調達部員に対し、次のようなステップで問いかけます。
「この納期遅延が、関係部署の生産計画にどのような影響を与えるか確認してみましたか?」
「仕入先に対して、納期を短縮するための代替案は何か提案してみましたか?」
「君自身は、この状況をどう解決するのがベストだと思いますか?」
例えば、コスト削減のために新しい仕入先と交渉を始めた調達部員が実行する際には以下のように接します。
「自分で決めた方針で、まずは最後まで進めてみてください。」
「進捗状況は報告してください。でも、実際の仕入先とのやり取りは任せます。」
「もし行き詰まったら、どう軌道修正するかをまた一緒に考えましょう。」
このように、途中で答えを提示して肩代わりするのではなく、調達部員自身の足でゴールまでたどり着かせることを優先します。
自分で決めたことを最後までやり遂げる経験は、調達業務に対する真の当事者意識を育てます。たとえ途中でつまずいたとしても、自分の責任で物事を進めた経験が、自立した心を芽生えさせます。調達マネジャーが見守る姿勢を貫くことで、調達部員は「自分がこの仕事を動かしている」という自信を深めていくことができるようになります。
ステップ③ 結果だけでなく「試行錯誤したプロセス」を認める
たとえ期待通りの結果が出なかったとしても、一人で悩み抜き、最後まで自分の頭で考え抜いた姿勢を正当に評価します。「自分の力でやり抜いた」という手応えは、調達部員にとって大きな自信となります。この自信が、次に困難な状況に陥ったときも、安易に周囲を頼らずに自分の力で乗り越えようとする強さに繋がります。例えば、生産計画の変更に伴う急な納期調整を、調達部員が一人で完結させた際には、以下のように言葉をかけます。
「最後まであきらめずに、関係部署と粘り強く調整を続けてくれましたね。その姿勢をとても心強く感じています。」
「今回は自分の力で解決案を導き出せましたね。その試行錯誤のプロセスこそが、今後の大きな力になりますよ。」
「結果はもちろんですが、一人で悩み、判断しようと努力した経験を何よりも大切にしてください。」
このように、調達部員が孤独と向き合って出した答えを認め、その努力を肯定することが大切です。
調達マネジャーが、結果の良し悪しだけで判断せず、自ら考え行動した過程をしっかりと承認することで、調達部員の自立心はさらに深まります。「次も自分の力でやってみよう」という前向きな意欲を引き出すことが、一人前の調達部員への成長を後押しします。日々の調達業務の中で、こうした承認の言葉を積み重ねていくことが、強い調達チームを作る土台になっていきます。
まとめ
まずは、調達部員が「自分ならどうしたいか」をじっくり考え抜く時間を作ることからはじめてみませんか?
まずは、日々の調達業務の中で調達部員が相談に来たとき、すぐに解決策を提示するのではなく、本人が自分の考えをまとめるための時間を少しだけ作ってあげてください。たとえ遠回りに見えても、自分の頭で悩み、最後までやり遂げたという経験こそが、揺るぎない自信へと変わっていきます。
最初からすべてを完璧に行う必要はありません。調達部員が少しずつ一人前へと育っていく姿を、温かく見守りながら支えていきましょう。その一歩一歩の積み重ねが、自立した調達部員が育つ強い調達チームを作る確かな歩みになりますよ。
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