- 新入社員の指導係を任せている入社3年目の部下がいる・・・。
- 新入社員が慣れてきたので新しい仕事にもチャレンジさせたいと思っている・・・。
- 新しい仕事を指導させるときに気をつけるポイントについて教えてほしい!
このような悩みをお持ちのマネジャーの方へ。
新入社員を育成するにあたって「どのくらいのレベルの仕事を任せるか」「指導係の部下にはどのように指導させたらいいか」迷いますよね。
「ストレッチ目標」という言葉をご存じでしょうか?
適切な指導方針を決めるには、新入社員の成長に合わせて目標を設定することが重要です。
今回は、入社3年目社員が後輩指導するときに必要な「ストレッチ目標」とは?についてお伝えしますので、ぜひご覧ください。
入社3年目社員が後輩指導するときに必要な「ストレッチ目標」とは?
ストレッチ目標とは?
まず、ストレッチ目標についてお伝えしていきます。
ストレッチ目標とは、
になります。
現状の能力では少し難しさを感じる状況で、背伸びしながら仕事に取り組むことで成長を促すことができる効果があります。
次にストレッチ目標を設定するときのポイントについてお伝えしていきます。ポイントは4つです。
1つ目は、能力を見極めることです。
新入社員の仕事のレベルを把握して判断していきます。もちろん仕事の内容や職種によって事情は異なりますが、あらかじめ任せる仕事を5段階くらいに分けておくと、「今の段階は大丈夫そうだから、次の段階を任せてみよう」というふうに判断しやすくなります。例えば以下のとおりです。
(例)任せる仕事のレベル分け
- 1段階 未経験の段階
- 2段階 指導係の部下に教えてもらいながらできるようになる
- 3段階 指導係の部下が時々フォローしてもらいながらできるようになる
- 4段階 一人でできるようになる
- 5段階 指導することができるようになる
新入社員に任せている仕事のレベルを分けるとしたらどんなうふうになるでしょうか?また新入社員は今レベルにいるでしょうか?指導係の部下に確認してみましょう。
ポイント② ストレッチ目標を設定する
2つ目は、ストレッチ目標を設定することです。
ストレッチ目標を設定ときには、育成計画書をもとに新たに設定することが大切です。例えば以下のとおりです。
(例)育成計画書にもとにしたストレッチ目標
当初の目標では顧客A社を一人で担当できるようになることを目標としていましたが、期限前に対応できそうだと判断し、顧客B社についても同様に担当できるようにストレッチ目標を設定するという例です。
新入社員の育成計画書ではどのような目標を設定されていますでしょうか。その目標が達成できそうであれば、どのようなストレッチ目標を設定したらいいでしょうか?育成係の部下と相談してみましょう。
なお、ストレッチ目標を設定する際は、「新入社員」「教育係の部下」「マネジャー」の3者で面談し、了承のもとで決定してください。
目標設定については以下のブログでもお伝えしていますので、合わせてご覧ください。
部下のやる気を引き出す目標設定のポイントとは?
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ポイント③ ストレッチ目標設定後のフォローアップをする
3つ目は、ストレッチ目標設定後のフォローアップをすることです。
ストレッチ目標を設定するということは、最初にお伝えした通り「現状の能力では少し難しさを感じる状況で、背伸びしながら仕事に取り組む」ということになります。背伸びをしている状態ですので、これまでにはなかった「うまくいかないこと」や「新たな問題や課題」が出てきます。そのときに任せきりにせず、より細やかなフォローアップを行うことが大切です。例えば以下のとおりです。
(例)ストレッチ目標後のフォローアップ
- 指導係の部下には定期的に進捗状況の報告をしてもらい情報共有しておく
- 必要に応じて、指導方法などについて指導係の部下の相談に乗る
- 時々、新入社員に声をかけて様子を観察する(無理をしていないかどうか把握する)
ポイント④ ストレッチ目標が厳しそうであれば軌道修正する
4つ目は、ストレッチ目標が厳しそうであれば軌道修正することです。
チャレンジしてみたもののちょっと厳しそうだなと感じられたら、軌道修正することも大切です。以下の様子が見られたら検討しましょう。
(例)軌道修正が必要な状況
- ストレッチ目標に取り組むことで、当初目標の取り組みに影響が出てきている(両方とも中途半端な状態になっているなど)
- 新入社員のモチベーションが下がって後向きになってきている(前向きに課題に取り組めなくなっているなど)
- ストレッチ目標を設定したときと事情が変わってしまった(新入社員の体調が優れないなど)
- 指導係の部下の仕事が忙しくなり、フォローする機会が減ってしまった
注意点としては、「一度決めた目標は何が何でも達成しなきゃ!」と無理をさせることは禁物です。いったん目標を軌道修正することで立て直しを図り、またチャレンジできそうであれば、再度新たなストレッチ目標を設定していきましょう。
- ストレッチ目標とは、個人や組織において「背伸びして工夫することではじめて手が届く」ような難易度に設定された目標のこと
- ストレッチ目標のポイント① 能力を見極める
- ストレッチ目標のポイント② ストレッチ目標を設定する
- ストレッチ目標のポイント③ ストレッチ目標設定後のフォローアップをする
- ストレッチ目標のポイント④ ストレッチ目標が厳しそうであれば軌道修正する
部下の習熟度合いに応じてストレッチ目標を設定することで、より成長できる機会をつくることはできます。一方で、無理な目標を設定してしまうと途中で挫折してしまうリスクもあります。「新入社員」「指導係の部下」「マネジャー」の三者で話し合い、軌道修正しながら進めていきましょう!