- 取引先交渉に苦手意識を持っている新任調達担当者がいる・・・。
- 取引先の営業担当者に遠慮して要望を伝えることができない様子で・・・。
- どのように指導したらいいか教えてほしい!
このような悩みをお持ちの調達・購買マネジャーの方へ。
部下が取引先との交渉をまとめられずに苦手意識を持ってしまい、一緒に同席してフォローすることが続いてしまう・・・。任せることができないときついですよね。
実は、私も調達部門に配属されたばかりの頃、取引先との交渉に苦手意識を持っていました。でも、ある「きっかけ」によって苦手意識を克服することができました。
今回は、【調達・購買】取引先交渉への苦手意識を克服できた理由とは?についてお伝えしますので、ぜひご覧ください。
【調達・購買】取引先交渉への苦手意識を克服できた理由とは?
まず、調達部門に配属された頃の話についてお伝えします。
新卒入社した会社で食品製造工場の資材担当の仕事を経て、本社購買部門に異動することになりました。取引先交渉については、まず上司(購買課長)に同席して交渉の流れを確認し、その後一人で担当することになりました。
しかし、取引先との交渉をどう進めたらいいかわからず、上司も任せたから自分でやってみろというスタンスでしたので困りました。取引先との商談が30分経過しても、取引先の営業担当者と「どうしましょうか・・・。」といった感じで結論を出せずにいました。取引先との商談時間になるのが嫌で仕方がなかったことを今でも覚えています。
取引先と交渉せざるを得ない事態に・・・
どうしたらいいか悩んでいる中、取引先と交渉しなければダメな状況になりました。それが、「共同配送センターの在庫管理問題」です。
当時、発注リードタイム短縮と在庫削減を目的にした共同配送センターを立ち上げました。各製造工場からの発注状況に応じて、共同配送センターに在庫してもらうというシステムです。
当初、在庫管理を私が担当することになりましたがうまくいきませんでした。管理する数が多くて対応できなかったことが原因です。メーカーの倉庫まで製品を取りに行き、工場へ届けるということもあり、なんとかしなければと頭を抱えていました。
考えた結果、取引先に対応してもらえるように交渉しようと決心しました。
「取引先と交渉しよう!」と決心した私は、どのように伝えれば取引先が了承してくれるかについて考えました。ポイントは以下のとおりです。
ポイント① 購買部門の方針として在庫管理を任せたいと伝える
1つ目は、購買部門の方針として在庫管理を任せたいと伝えたことです。
部門方針とは「上司の了承を受けた上で取引先と交渉する」ということです。理由は、担当者の要望による交渉ではうまくいかないと考えたためです。このときに、私自身が「自分が在庫管理していては製造工場と取引先に迷惑をかけるからなんとしても取引先にお任せしたい」という強く決心できたことが大きかったと思います。その決意が上司にも伝わり、交渉に臨む準備ができました。
2つ目は、一社ごとに丁寧に説明することです。
取引先にこちらの要望をどのように伝えるかについても考えました。依頼文書を作成して伝えることも検討しましたが、一社ごとに来ていただいて説明することにしました。時間と手間はかかりますが、こちらの意思を丁寧に伝える機会をつくることが了承してもらえることにつながると考えました。
実際の交渉では、文書ではなく直接お伝えすることによって購買部門の方針と私の決意を前向きに受け止めていただけました。
3つ目は、例外を出さない覚悟で交渉に臨むことです。
この点についても交渉前に意識しました。もし、1社でも例外としてこちらで在庫管理を継続することになれば、取引先の間で情報が出回ってしまい、「うちの会社もお願いしますよ」という事態になってしまうと考えました。
実際の交渉では、1社だけどうしてもすぐに対応できない取引先が出てきましたが、準備期間を設けた上で、すべての取引先に在庫管理をお任せするという交渉をまとめることができました。
- 購買部門に配属された当初は取引先交渉が嫌で仕方なかった
- 交渉しなければならない状況になり覚悟を決めて臨むことにした
- 交渉準備をして臨むことで話をまとめることができた
私も取引先交渉は最初はうまくいかないことの方が多かったなと思います。試行錯誤する中で取引先交渉への苦手意識を払拭しましたが、一番大切なことは、自分自身が「取引先との交渉を通してどうしたいか?」を整理することです。今回のブログでお伝えした「取引先に在庫管理をお任せしたい」という要望を実現したいと強く決心したことが苦手意識を払拭するきっかけになりました。調達マネジャーさんの部下を指導するときのヒントにしていただけたら嬉しいです。
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