- 取引先からの値上げ要請が続いている・・・。
- このご時世だから拒否するわけにもいかないけど、丸のみもできない・・・。
- 取引先からの値上げ要請への対処ポイントについて教えてほしい!
値上げ要請への対応、頭が痛いですよね。
調達方針、取引先との関係、契約内容などによって個々に対応は変わってきますが、値上げ要請に対しての基本スタンスを決めておくと慌てずに済みます。調達部門としての判断基準や部下から相談を受けた際の参考にしていただければと思います。
今回は、【調達マネジャー向け】取引先からの値上げ要請への対処ポイントとは?についてお伝えしますので、ぜひご覧ください。
【調達マネジャー向け】取引先からの値上げ要請への対処法
ポイント① 希望する値上げ金額の負担割合について確認する
1つ目は、希望する値上げ金額の負担割合について確認することです。例えば以下のとおりです。
(例)材料費高騰の場合
- 材料費の高騰を理由に、100円/1ケースの値上げを希望する
- 材料費高騰によるコストアップ額は200円/1ケースなので、半分の100円/1ケース分を負担してほしい
例の場合、負担割合は5割ということになります。
まず、この負担割合について取引先の担当者さんに確認してみましょう。よほどの理由がない限り説明していただけるはずです。
ポイント② 希望する値上げ金額の負担割合の経緯について確認する
2つ目は、希望する値上げ金額の負担割合の経緯について確認することです。
希望する値上げ金額の負担割合の経緯とは、取引先の企業努力のことです。例えば以下のとおりです。
(例)材料費高騰の場合
- 材料費高騰によるコストアップ額は200円/1ケースなので、半分の100円/1ケース分を負担してほしい
- 100円/1ケース分の企業努力として主に2つ行っている
- 材料メーカーとの交渉を行い、当初の値上げ要請額から30%抑制できた
- 手作業だったものを機械を導入し自動化することで20%抑制できた
例の場合、企業努力で2つの対応を行ったものの、コストアップ分のすべてを吸収することができなかったので、残りの50%をご負担いただきたいという要請になります。
この確認作業は、取引先によって詳しく説明してもらえる会社とそうでない会社に分かれます。長い期間取引している会社や日頃からコストダウン活動に協力的な会社は答えてもらいやすいのですが、最近取引を始めた会社やコストダウン活動にあまり協力的でない会社は、あまり詳しく答えてもらえない場合もあります。丁寧に質問をしながら企業努力の経緯についてできる限り具体的にしていきましょう。
ポイント③ 希望する値上げ金額の負担割合が妥当かどうかを判断する
3つ目は、希望する値上げ金額の負担割合が妥当かどうかを判断することです。
判断基準は以下のとおりです。
(例)希望する値上げ金額の負担割合が妥当かどうかの判断基準
- 取引先のコストアップ対策への取り組み状況(材料高騰などの影響を最小限に抑えるための企業努力をしているかどうか)
- 取引先の財務状況への影響度合い(値上げ要請を受けないことにより収益が悪化してしまい、安定供給への影響があるかどうか)
- 取引先の今後の取引に対しての意欲について(場当たり的な対応か、今後の取引にも意欲がありやむを得ず依頼しているかどうか)
一番は、今後も継続して取引する意欲的であるかどうかです。意欲的であれば、企業努力を熱心に取り組んでいるでしょうし、財務状況についても健全な状態を維持できるように経営努力をしているはずです。取引先からのヒアリングを通して、コストアップへの取り組む姿勢を読み取って判断していきましょう。
なお、ポイント②でお伝えした負担割合が100%でコストアップ分をそのまま転嫁する姿勢の会社の場合は取引を見直すことを検討していきましょう。
- ポイント① 希望する値上げ金額の負担割合について確認する
- ポイント② 希望する値上げ金額の負担割合の経緯について確認する
- ポイント③ 希望する値上げ金額の負担割合が妥当かどうかを判断する
今の社会情勢などを考慮しますと、今後も値上げ要請は続くものと思います。取引先のコストアップへの企業努力と健全な財務状態を維持するための経営努力についての取り組む姿勢を確認していただき、判断基準の参考にしていただければと思います。もし、部下への指導方法等についてお困りの点がありましたら、無料でご相談をお受けしていますので、お気軽にお声がけください。
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