調達部門に漂う重い雰囲気を払拭するために行ったことは?
その後、お客様のご要望により通常の3倍の受注を受けることになった結果、私が担当する電子部品の納期調整を行うことなりました。このときは、生産管理部門だけでなく、業務部門、営業部門の管理職・担当者から次々と内線電話で督促を受ける事態になりました。
気づけば納期調整への対応に追われて、他の仕事ができない状態になっていました。このときに気づいたのです。「ああ、これが前任者が感じたストレスだったんだな」と。
しかし、私は転職してこの会社に入社しましたし、まだ会社に対して役立つ仕事ができていないという自覚もありました。この納期調整の対応をすることで恩返しできればと思い、先頭に立って取り組むことにしました。週1回、取引先に出向いて翌週の納品数を交渉し続けた結果、無事お客様にご迷惑をおかけすることなく製品を納品することができました。
このときは、とにかく自分の役割を全うすることに集中していたので気がつかなかったのですが、私の行動を見ていた調達部門のメンバーからは「佐藤さんが率先して取り組んでいる姿を見て勇気づけられて、私たちも頑張ることができました」という話を納期調整の対応が落ちついた頃に聞きました。私の行動がメンバーの中に漂っていた「納期調整=ストレスでつぶれる」というイメージを払拭するきっかけになりました。
この話は15年以上前のことですので今の職場環境でしたら、一人の社員に負担がかからないように配慮されている会社が増えているのではないかと思います。しかし、ちょっとしたきっかけで、私のように取引先と関係部門との間に入って「板挟み」状態になり、どう対応したたいいかわからず頭を抱えてしまう方もいらっしゃると思います。
「調達部門向け特化研修」を通してお伝えしたいことは、調達部門のマネジャーさんや担当者さんが一人で問題を抱え込まず、関係者と協力して解決へ向けて行動できるようになってほしいという想いです。その解決方法の中心となるものが「応援」「コーチング」なのです。
自分の担当業務で直面する問題を社内外関係者の人たちと協力して解決するためには、「関係づくり」を行うためのコミュニケーションスキルが欠かせません。納期調整で困ったときの私は、このコミュニケーションスキルを体系的に学んでいなかったため相当苦労しました。同じように「板挟み」になって悩んでいる調達部門のみなさまのために「調達部門向け特化研修」を通して応援したい!という想いを持って取り組んでいます。
- 転職後に「前任者が調達業務でのストレスを理由に自殺した」という衝撃の事実を知った
- 採用していただいた会社に恩返しのつもりで納期調整に取り組み、調達部門の雰囲気を変えることができた
- 同じように「板挟み」状態になっている調達部門のみなさまを応援したいという想いで「調達部門向け特化研修」に取り組んでいる
調達部門での苦労を乗り越えた経験と学びをお届けし、一人でも多くの調達部門のみなさまのお役に立ちたいと思っています。もし、お困りのことがありましたら無料でご相談をお受けしていますので、お気軽にお声がけください。