「部下を一人前にしたいので、企業研修を受けさせたい」
「でも、どんな研修を受けさせたらいいんだろう?」
「研修の選び方があったら教えてほしい」
こんな悩みを抱えているマネジャーの方。もしくはマネジャーからこのようなご相談を受けている人事課長(研修担当者)の方。
研修テーマ選びの前に、まずチェックしてほしいことがあります。
先日、私がよく行くお店で実際にあった事例(スタッフさんとお客さんとのやり取り)をご紹介しますので、もし、このスタッフさんに研修を受けてもらうとしたらどんなテーマがいいか、一緒に考えてみていただきたいのです。
今回は、研修テーマ選びの際に注意すべきポイントについて「研修講師の視点」で解説しますので、ぜひご覧ください。
研修テーマ選びの時に注意すべきポイント
まず、先日、私がよく行くお店で実際にあった事例(スタッフさんとお客さんとのやり取り)をご紹介しますので、このお店の店長さんになったイメージでご覧ください。
※お店が特定されないように一部脚色しています。
【事例】
- 入店されたお客さんが着席。備え付けの注文用紙に書いて注文することを面倒に感じている様子。
- お店のスタッフさんを呼び、注文方法への不満と改善を求める。
- スタッフさんは、「会社で決まったことなので」と回答する。
- お客さんは、その対応に不満を感じて、「もういいよ、離れてくれ!」と伝える。
- スタッフさんは、なぜお客さんからこのように言われてしまったのか理解できていない様子。
では、このスタッフさんの課題はどんなところにあるのでしょうか。大きく分けて3つの課題がありそうです。
1つ目は、お客様が求めていることを聴き取る力に課題がありそうです。
【事例解説】
- 注文方法に対しての不満を聴き取ることができなかったことで、お客さんの不満を募らせることになってしまった。
2つ目は、お客様に理解してもらえるように説明する力に課題を感じました。
【事例解説】
- 「会社で決まったこと」と言ってしまい、注文用紙に書いて注文してもらう理由の説明と、ご協力をお願いすることができなかった。
課題③ 行動を振り返って、改善点を見出して対応する力
3つ目は、行動を振り返って、改善点を見出して対応する力にも課題を感じました。
【事例解説】
- 「お客様が不満を言う理由はなんだろう?」「どんな対応をすればよかったのだろうか?」という問題意識と改善点を感じることができなかった。
事例を見ていただいた上で、研修テーマ選びの時に注意すべきポイント3つについて見ていきましょう。
1つ目は、求める人物像を確認することです。研修を受けさせたい部下にはどんなふうに成長してもらいたいのでしょうか?
(例)
- 会社が求める人物像(経営理念や会社方針に共感して取り組める等)
- 役職や等級による人物像(期待する役割を全うできる等)
- 所属部門が求める人物像(職務を全うするために必要な知識・スキル・メンバーとの連携等)
2つ目は、課題を把握することです。研修を受けさせたい部下にはどんな課題があるでしょうか?
(事例の場合)
- お客様が求めていることを聴き取る力
- お客様に理解してもらえるように説明する力
- 行動を振り返って、改善点を見出して対応する力
事例を見ていただいたように、部下の仕事ぶりを観察してどこに課題があるのかを把握できると、研修を受ける必要性を伝えることができます。研修への動機づけを行うことでより研修効果を高めることができます。
③課題が解決して、求める人物像へ近づく内容にふさわしい研修テーマを選択する
3つ目は、課題が解決して、求める人物像へ近づく内容にふさわしい研修テーマを選択することです。
(事例の場合)
- コミュニケーション研修(「相手の話を理解する」「相手に取ってほしい行動を促す」等)
- クレーム対応研修(「お客様の不満を受け止める」「クレームに対処する方法」等)
- 問題解決研修(「PDCAサイクル」「問題解決手法」等)
- リフレクション研修(「自分自身の仕事や業務から一度離れ、仕事の流れや考え方・行動などを客観的に振り返る」等)
といった研修を挙げられます。もし、「どの研修を受けたらいいかわからない」場合は、研修会社やコンサルティング会社に相談すると、要望に応じてカスタマイズした研修カリキュラムを提案してもらえます。
- 研修テーマ選びのポイント①「求める人物像を確認する」
- 研修テーマ選びのポイント②「課題を把握する」
- 研修テーマ選びのポイント③「課題が解決して、求める人物へ近づく内容にふさわしい研修テーマを選択する」
マネジャーの方は、日頃から「部下の仕事を観察する」「課題はどこにあるのかを把握する」をしていただくと研修に送り出す際の動機づけと研修効果につながりますので、ぜひやってみてください。
人事部の方は、マネジャーから相談を受けた際に、「部下をどのように観察して、課題をどう把握しているか」を聞いた上で対応されると、改善点が見えてきます。改善点を共有した上で階層別研修等を受けてもらうと研修効果につながりますので、ぜひやってみてください。
新型コロナウイルスの影響が続く中、人事部が積極的に従業員のモチベーション向上に関わり、従業員満足度の向上につなげていきたいとお考えの人事部様、研修担当者様向けに「部下のモチベーション向上」研修に関するご相談を無料でお受けしています。
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